2007/03/27

Let People Go Surfing.




パタゴニアの創設者、イヴォン・シュイナードの『社員をサーフィンに行かせよう』を読みました。
サブ・タイトルは「パタゴニア創業者の経営論」。
原題は "Let My People Go Surfing: The Education of a Reluctant Businessman"だから、
'パタゴニア創業者の経営論'ってのはかなりの超訳だと思うけど、
まぁ、内容はかなり面白くて、思った以上に'経営論'でした。厳密には'企業理念'って感じかな。

もともとパタゴニアは好きなんで、
カタログも毎号読んでるし(そう! '見る'じゃなくて'読む'!)、
ターザン別冊の『〈パタゴニア〉が教えてくれること。』とか
エスクアイア別冊の『パタゴニア・プレゼンツ 遊ばざる者、働くべからず。』
わりとちょこちょこと見返して、いろいろインスピレーションを得ているんで、
まぁ、いろんなところでちょこちょこ知ってたことが、
本人の言葉でまとまってるって感じなんだけど、
このジィちゃん、思った以上に過激で乱暴な感じで。そこがすごくいい。
温和で平和主義なジィちゃんなのかと思ったら、なかなかどうして。
言ってることもやってることもかなりラディカル。
「いい波が来てるのに海に行かないほうがおかしい」だの、
「事業の第一の目的は利潤じゃない」だの、
「金儲けが目的じゃないから上場なんて絶対しない」だの、パンチライン連発。
共感できる点とか、勉強になることが盛りだくさん。
(試行錯誤をしながらも)有言実行なところもカッコいいね。
まぁ、どっかの会社の社員になる気も起業する気もないオレなので、
'企業として'みたいな点でどうこうということはないけど、
それでもオレがよく読みがちな'上場ゲームをプレーしてる'
シリコン・ヴァレー系の起業本なんかよりよっぽど共感できるし
(それはそれで面白いんだけどね。アップルとかグーグルとか)、
'フツーに物事との向き合い方'みたいなレベルで、けっこうグッときちゃう。

まぁ、何がいいって、タイトルがいいんだけどね。
こんなタイトルで面白くないはずがない!
そりゃあ、サーフィンに行ったほうがいいでしょ。いい波が来てるんだから。

っつうか、みんながフツーにこうなってるような世の中にならないかな? そうなったらいいな、と。
だって、これは「休みがキチンと取れて…」なんてレベルのハナシじゃないから。
なぜなら、サーフィンだから。「来週休みを取って登山に行ってきます」なんてのとはレベルが違う。
登山だったら事前に予定が立てられるけど、サーフィンはそうはいかないから。いい波が来ちゃってるんだから。
そういう、思い立ったときにすぐに動けるような環境ってすごくいいな、と。
自分自身も、周りの人も。もちろん、お互いに、ね。
フツーにみんながほいほいサーフィンに行けちゃう。
もちろんサーフィンじゃなくてもいいんだけどね。サッカーでも、山登りでも、釣りでも。
逆に、台風だから会社に行くのをやめて家で本を読んじゃう、ってのももちろんアリ。
そんな 'Let People Go Surfing' な感じの世の中(会社じゃないから 'My People' ではない)にならんもんかな、と。
これは案外プリミティヴで、スゲェ大事なことのような気がする。

あと、サーフィン、スゲェ気になってるんだよね。
やったことないし、似合わない気がするけど(笑)。
何が気になるって、バカっぽいところ。
ブラジルに行ったときにスゲェ感じたんだけど、あの、バカ面して波を待ってる感じとか、
価値基準が'カッコいいターン'とかだったりするとこととか、スゲェいいな、と。
つまんない打算とは掛け離れてて。
『コヨーテ』のジェリー・ロペスの特集の号を読んだときも似たようなことを思ったけど。
あと、潮の満ち干の影響で逆流するアマゾン川に乗るサーファーとか。

そういえば、次号の『コヨーテ』の特集がイヴォンらしい。チェックせねば。


    

0 件のコメント: